■マイホーム取得にかかわる法律は?■
不動産や住宅にかかわる法律がどのくらいあるのか正確な数字は分かりませんが、ざっと数えたところではおよそ130種類あります。
このほかにも省令や政令、施行令、施行規則、さらには自治体が定めた条例などもあり、おそらく専門家でも、そのすべて把握している人はいないのではないでしょうか。
宅地建物取引業法では、このうち46種類の法律について、「該当する制限があるときには重要事項として説明する旨」を定めています。
ただし、現実の不動産取引では、なかなか接する機会がない法律も多く含まれています。

■マイホーム取得にかかわる代表的な法律■
46種類の法律のうち、街づくりの基本となる「都市計画法」と、建物の最低限の基準を定めた「建築基準法」は、不動産にかかる制限の中心になるものです。
この2つの法律に関する事項は、重要事項説明の中でも、とくに細かく説明される部分です。
そのほか、土地の区画整理事業に関する「土地区画整理法」や、宅地造成工事による災害防止のための法律である「宅地造成等規制法」なども、該当する不動産が比較的多いものです。
マイホーム購入に際して、これらの法律の内容を詳細に理解する必要はありません。しかし、実際に適用を受ける法律については、十分に説明を受けることが大切です。

*宅建基準法
建築物の敷地・構造・設備・用途に関する基準や、都市計画区域内における建ぺい率・容積率・高度制限など、建築物について最低限の基準を定める法律で、1950年(昭和25年)に施行された。

「市街化区域」と「市街化調整区域」の大きな違いって?
■都市計画区域
一定の条件を満たす市街地を含むエリアは、都市計画法による「都市計画区域」に定められ、『健康で文化的な都市生活及び機能的な都市活動を確保する』という理念のもと、土地の利用に関して様々な規制や制限が加えられます。
また、都市計画区域外で、これから市街化が進行することが見込まれる区域に対して、あらかじめ土地利用を規制する目的で「準都市計画区域」が指定される場合もあります。

■市街化区域と市街化調整区域
都市計画区域に指定された区域のうち、三大都市圏や大都市など一定の区域については市街化区域と市街化調整区域とに線引きされることになっています。地方都市などでは、この線引きを行うか否かは都道府県の選択に委ねられます。
市街化区域は、すでに市街地を形成している区域(既成市街地)と今後旧年以内に優先的かつ計画的に市街化を図る区域です。
これに対して市街化調整区域は、市街化を抑制する区域となっています。

■市街化調整区域の物件は要注意
市街化調整区域では、原則として農林漁業を営む人の住宅など一定の建築物を除き、一般の人が住宅を建てることはできません。
ところが、都市部の中にも市街化調整区域に指定されているエリアが多くあり、そこには法律が適用される前から建っている住宅も少なからず存在します。
このような物件が中古住宅として売りに出されていることもあります。
以前は一定の要件を満たすことで、市街化調整区域であっても、建て替えが認められていました(=既存宅地の制度)。
しかし、都市計画法の改正(平成13年5月18日施行)によって、この制度が廃止され、建て替えのためには特別な許可(都市計画法第紹条の許可)を受けなければならなくなっています。
それぞれの自治体により独自の基準を設けている場合もありますが、建物の用途や規模などについては、ある程度限定されることが多いでしょう。
将来的に建て替えができるかどうかは保証されませんし、また住宅ローンが使えなかったり、下水道などの整備が十分でなかったりすることもありますから、どんなに安くても市街化調整区域内の中古住宅を安易に考えることは避けるべきでしよう。

*都市計画法
都市計画の内容、およびその決定手続き、開発許可制・建築制限などの都市計画制限、都市計画事業の認可.施行などについて定めた法律で、1969年(昭和44年)に施行された。

『用途地域上と『地域地区』が住宅の周辺環境を決める
■用途地域は帽種類に分けられる■
市街化区域内には、少なくとも「用途地域」を定めることになっています。また、市街化区域と市街化調整区域とに線引きされていない区域(未線引き区域)や準都市計画区域では、用途地域に代わる制限として「特定用途制限地域」の指定がされる場合もあります。用途地域とは、その土地に「建ててよい建築物の用途」と「建ててはいけない建築物の用途」を定めたもので、旧種類に分けられます。
第1種低層住居専用地域では、低層住宅のほか学校、公衆浴場、診療所、50平方メートル以内の兼用住宅などの立地が認められます。
①の第1種低層住居専用地域から、⑨の商業地域に向かうに従って、建てられる用途が広くなります。ただし、危険性や環境を悪化させるおそれのある工場などについては、①~⑨では認められず、その規模に応じて⑩~⑲の工業系用途地域で認められることになります。

■第1種低層住居専用地域でも要注意■
第1種低層住居専用地域などとなっていても、決して『専用』ではないことに注意しなければなりません。
また、これらの用途地域の中で住宅を建てることができないのは工業専用地域だけで、近年では準工業地域や工業地域の工場跡地に建築される大規模な分譲マンションも多くなっています。
マンションの敷地内は環境が整備されているものの、通勤通学路には工場が林立しているようなケースもありますから、周辺環境にも十分に注意しなければなりません。

■土地・一戸建ては周辺の用途地域にも要注意■
土地や一戸建てを選ぶときには、周辺の用途地域にも注意が必要です。
一般的には第1種低層住居専用地域が最も住環境のよい住宅地だとされていますが、東京など大都市部では用途地域が細かく入り組み、第1種低層住居専用地域と道路を挟んで向かい側の敷地が商業地域に指定されているような例もあります。
売買対象物件の用途地域は、重要事項として宅地建物取引主任者が説明してくれますが、周辺の用途地域まで説明してくれるとはかぎりません。
物件の現地見学をしたときに気になることがあれば、管轄の役所などへ自分で行って調べてみるくらいの慎重さも必要ですね。なお、最近はホームページで用途地域をはじめとした都市計画図を公開する自治体も増えてきています。